ムラサキの文学日記

短編小説、現代詩、俳句、短歌、随筆

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

名前のない死体たち(現代詩「ジョン・ドウ・スタア」跋文)

生きる死体。 は生きているのか。 最近は本当に死体が元気な場合がある。ジョージ・A・ロメロ監督(2017年他界)のゾンビシリーズだ。若い人にはテレビドラマのウォーキング・デッドの方がお馴染みか。 (ゾンビ)という存在が時々社会現象となるのは、我々…

クレオパトラの夢 バド・パウエルと高瀬アキ

ピアノとウッドベース、ドラムのトリオ。なんてスリリングな編成だろう。 バド・パウエルのクレオパトラの夢に因んだ短編小説を書くにあたって、クレジットを確認した時の感想だ。 だってスモークが立ち込める薄暗いバーのステージにピアノとウッドベースと…

金子兜太氏のご冥福をお祈り致します

人体冷えて東北白い花盛り 句集「蜿蜿」金子兜太1968年 金子兜太氏がご逝去されました。 浅学の私は先日、宗左近先生の著した現代俳句の入門書を読み、改めて俳句の素晴らしさに感じ入っていた所でした。 その書にはやはり金子兜太の句が紹介されており、そ…

チャーハン大賞に応募しました!

こんにちは村崎です。 先日の記事「チャーハン大賞に応募しようとして辞めました」では 温かいお言葉の数々ありがとうございました。 チャーハン大賞は「AJINOMOTO」社が満を持して売り出す新商品「ザ・チャーハン」の発売記念イベントです。 noteのアカウン…

チャーハン大賞に応募しようとして辞めた話。

こんにちは村崎です。 本文は「味の素 チャーハン大賞」に応募しようと思い起稿したものです。 文章は完成しましたが、なんかアレなので応募を辞めました。そう、なんかアレなんです。 応募はしませんが勿体無いのでブログにアップして供養とします。 お暇な…

経験とことば(俳句日記「かはうそ祭」跋文)

経験を言葉に変える、という話。 「すべては語られてしまった。」 フランスヌーベルバーグの騎手ジャン=リュック・ゴダールの言葉である。 すべては語られてしまった。 本当に誰も知らない物語なんて最早ない。創れない。 俳句という十七文字文学においても…

石手寺マントラ洞(短編小説「やまびこ」跋文)

10年ほど前の話。 かの有名な「マッチ箱」のような路面電車を乗り継ぎ市内循環から外れて行き着く終着駅は道後温泉である。 土産物屋が並ぶ温泉街の入り口を過ぎて山裾を歩くと程なくして真言宗八十八箇所霊場の石手寺に辿り着く。 山門をくぐると50メートル…

現代詩入門

現代詩入門「現代詩ってなんですか?」 詩と現代詩 形骸からの脱却と現代芸術 現代詩とは 吉本隆明「ぼくが罪を忘れないうちに」 おわりに 1.「詩と現代詩」 先日「現代詩」とはなんですか、とご質問を頂きました。 他にも「詩」と「現代詩」は違いますか? …

エフェメラ、砂上の楼閣、バベルの図書館(現代詩「ひさかたの」跋文)

記憶の箪笥を開けると片隅からエフェメラという言葉が出てきた。 言葉を手に取って眺めるのだが、何処で拾ってきた言葉なのか皆目見当がつかない。つかないながら言葉の持つ神秘的な響きが気になって辞典をひいた。 言葉の起源を探ると「一日しか存在し得な…