第三の選択肢(短編小説殺人するか心中するか其れが問題だ跋文)
選択肢があるということ。
昼食を食べようと食堂に入った。
ランチを注文しようとするとAランチとBランチがあるようだ。
AとB、どちらにしようかと迷う。
AとBのどちらかで迷っている人は気付いていないが本当は選択肢はもっと沢山ある。
ランチ以外のメニューもあるし、この店を退店する選択肢だってある。
本当は無限にある選択肢を見つけられる人は少ない。
そんな話をテーマに短編小説を書いた。
タイトルの「それが問題だ」とはシェイクスピアのハムレットからの引用である。
「なすべきかなさざるべきかそれが問題だ」
劇中ハムレットの選択肢は明確に2つである。
先王を暗殺して后を奪った王を弑するべきか、せざるべきか。
亡き先王が暗殺者を糾弾する。
復讐せよ、と。
復讐すれば妃である母が悲しむ。国が荒れる。復讐せねば義に反する。
どちらの道も悲劇である。
それならば「すること」「せざること」の以外に選択肢を見つけられないだろうか。
王を追放する。
自らが国を出て新たな国を作る。
超長期的に取り組む。
そう言ったするとせざるの間や外側にも選択肢はあるのだ。
短編小説の主人公は妻を殺そうと思っている。同時に自分も一緒に死のうかとも思っている。
突き付けられた選択肢に囚われることなく、最上の選択肢を見つけることはできるだろうか。
殺人するか心中するかそれが問題だ|murasaki_kairo|note(ノート)https://note.mu/murasaki_kairo/n/na4c5be775629