ムラサキの文学日記

短編小説、現代詩、俳句、短歌、随筆

細胞膜に身を包むということ(現代詩エンベローブ跋文)

ウイルスはタンパク質から作られた膜を持つエンベロープウイルスと、膜を持たないノンエンベロープウイルスがいる。

アルコールはエンベロープタイプの皮膜を溶かすので不活性化に効果があり、ノンエンベロープのウイルスには影響を与えないと言われる。

ノロウイルスなどのノンエンベロープはアルコールで消毒できないということが長らくの常識だったがアルコール製剤の中にはノンエンベロープに効果のあるものが見つかったり、

ノンエンベロープなのに、宿主の細胞膜を利用してエンベロープを作ったりするウイルスが見つかったりと日々常識が覆る。

 

誰かの中で自らを膨らめて

湿潤の細胞膜に身を包む

更にはその細胞膜を

自らのものにして

同一化を図ろうという

ウイルスの所業は

なんとロマンチックなことだろう

 

現代詩「エンベロープ」|murasaki_kairo|note(ノート)https://note.mu/murasaki_kairo/n/nc823a34299aa