ムラサキの文学日記

短編小説、現代詩、俳句、短歌、随筆

詩人

金子兜太氏のご冥福をお祈り致します

人体冷えて東北白い花盛り 句集「蜿蜿」金子兜太1968年 金子兜太氏がご逝去されました。 浅学の私は先日、宗左近先生の著した現代俳句の入門書を読み、改めて俳句の素晴らしさに感じ入っていた所でした。 その書にはやはり金子兜太の句が紹介されており、そ…

チャーハン大賞に応募しようとして辞めた話。

こんにちは村崎です。 本文は「味の素 チャーハン大賞」に応募しようと思い起稿したものです。 文章は完成しましたが、なんかアレなので応募を辞めました。そう、なんかアレなんです。 応募はしませんが勿体無いのでブログにアップして供養とします。 お暇な…

経験とことば(俳句日記「かはうそ祭」跋文)

経験を言葉に変える、という話。 「すべては語られてしまった。」 フランスヌーベルバーグの騎手ジャン=リュック・ゴダールの言葉である。 すべては語られてしまった。 本当に誰も知らない物語なんて最早ない。創れない。 俳句という十七文字文学においても…

文芸誌ユリイカで佳作を頂きました。

村崎カイロです。 青土社の文芸誌ユリイカに毎月、ポエムを投稿しているハガキ職人です(笑)。 一年間読者コーナーにハガキを送り続けて、初めて名前だけ掲載されました。 ここに至るまでの苦節があって 実は去年一年間、全く鳴かず飛ばずでいっそ投稿やめ…

蟻の話(短編小説「海蟻」跋文)

蟻の巣の奥底には女王蟻がいる。働き蟻たちは女王蟻と子供の蟻たちのために働いている。 僕はこの話から蟻の王国のようなものを想像していた。 女王蟻は赤いビロードのソファにもたれかかって、毛皮の常套に身を包んでいると思っていた。 蟻の王国は女王のた…

わたしのことば(現代詩「腹が減る」跋文)

私の中は空っぽで 才能もないし興趣もないし 愛嬌もないし それに加えて主張もない 物を書くという習性だけが残っていて 今もこうして空っぽな言葉を書いている そういった空虚さで この文を読む方のお時間を 頂戴してしまうことは 心苦しいことなのだけど …

海洋性の昆虫について(「深海キリギリス」推敲ノート)

生命は海から生まれた。 動物も植物も。 海から生まれた生き物たちは進化の過程で陸上に上がり、再び海に帰ったものもいる。 ウミヘビやウミガメなどの爬虫類。 クジラやイルカなどの哺乳類。 そのようにして海には沢山の生き物が暮らしている。 だが海には…

第三の選択肢(短編小説殺人するか心中するか其れが問題だ跋文)

選択肢があるということ。 昼食を食べようと食堂に入った。 ランチを注文しようとするとAランチとBランチがあるようだ。 AとB、どちらにしようかと迷う。 AとBのどちらかで迷っている人は気付いていないが本当は選択肢はもっと沢山ある。 ランチ以外のメニ…

細胞膜に身を包むということ(現代詩エンベローブ跋文)

ウイルスはタンパク質から作られた膜を持つエンベロープウイルスと、膜を持たないノンエンベロープウイルスがいる。 アルコールはエンベロープタイプの皮膜を溶かすので不活性化に効果があり、ノンエンベロープのウイルスには影響を与えないと言われる。 ノ…

カッパドキア(短編小説 岩窟の村跋文)

穴居人たちがカッパドキアに暮らしていた。穴居人などと呼べば如何にも非文明的な響きだが、今やカッパドキアの穴居生活はインフラが整備されて現代的なモダン・ライフである。 カッパドキアは砂岩の織りなす地形で、長い年月をかけて風が岩を削り奇岩が目立…

死者との邂逅(夜のプールと古代生物 跋文)

死んだ祖父に会った時、思ったよりも活き活きしていて僕は「なんだ」と間の抜けた感想を持った。「なんだ」が何を意味するのか、世の中のモラルに照らし合わせて説明できる自信がないので詳細は割愛する。 ともあれ病院で死亡診断の済んだ死体に僕は面会した…

現代詩「精米」跋文

現代詩「精米」|murasaki_kairo|note(ノート)https://note.mu/murasaki_kairo/n/neec4d588ca25 精米をした。 面白い体験だった。 コイン精米所は規模の割に利用料が安い。 農林水産省がコイン精米の設置に補助金を出しているのかな。 詩は つげ義春の「…

現代詩「トイレタンクから水がチョロチョロ」跋文

現代詩 トイレタンクから水がチョロチョロ|murasaki_kairo|note(ノート)https://note.mu/murasaki_kairo/n/n958e5fad1549 日曜日の午後にトイレの水漏れを直しました。 日常生活を詩に起こしました。 緩い詩になりましたが、こういう私みたいな一般大衆…

現代詩「マクドナルド」跋文

現代詩「マクドナルド」|murasaki_kairo|note(ノート)https://note.mu/murasaki_kairo/n/n36adca217a14 今日の夕飯はマクドナルド。 マクドナルドが好きだ。

現代詩「孤島」の跋文

現代詩「孤島」|murasaki_kairo|note(ノート)https://note.mu/murasaki_kairo/n/ne5868b8f2853 人間関係の何もかもが面倒くさくなって、独りになりたい。そんな衝動に駆られる。 知らない街に行きたい。 誰も僕のことを知らない街に行きたい。 旅行とも…