ムラサキの文学日記

短編小説、現代詩、俳句、短歌、随筆

自由律俳句

サツキとツツジ

歳時記を見ても「さつき」「つつじ」が見当たらない。 旬を先取りするのが俳句の粋である。遅れた季語は野暮ったい。 この5月なら初夏の句を爽やかに詠みたい。それが晩春じゃいけない。無粋である。 改めて調べてみると歳時記では表記が違う。 「さつき=杜…

金子兜太氏のご冥福をお祈り致します

人体冷えて東北白い花盛り 句集「蜿蜿」金子兜太1968年 金子兜太氏がご逝去されました。 浅学の私は先日、宗左近先生の著した現代俳句の入門書を読み、改めて俳句の素晴らしさに感じ入っていた所でした。 その書にはやはり金子兜太の句が紹介されており、そ…

経験とことば(俳句日記「かはうそ祭」跋文)

経験を言葉に変える、という話。 「すべては語られてしまった。」 フランスヌーベルバーグの騎手ジャン=リュック・ゴダールの言葉である。 すべては語られてしまった。 本当に誰も知らない物語なんて最早ない。創れない。 俳句という十七文字文学においても…

私性と俳句(俳句日記「初詣」跋文)

「初詣 僕たちは同じものを見ている」 「私」が詠まれる俳句はあまりないように思われる。 (冷たい)などの感覚や(うれし)などの感情は詠まれる。 だが、私や僕など一人称を使う俳句はない。 俳句の視点がそもそも「私」を中心に展開しているからで、それ…

俳句日記「北風」跋文

俳句日記です。北風と牡蠣の2句。 「北風に背中丸めて堀端」 堀端は風が吹き抜けるので余計に寒いのです。今日は寒かった…。 俳句日記 北風|murasaki_kairo|note(ノート)https://note.mu/murasaki_kairo/n/n244fe6a26165

俳句日記「冬の夜」跋文

毛布を被って居間でうたた寝をしていた。夜中に目が覚めると大変寒い。 あんまり寒いので冬の真夜中に風呂に入った話。 俳句日記 冬の夜|murasaki_kairo|note(ノート)https://note.mu/murasaki_kairo/n/neb83cd0a1132